油圧の仕組み|原理と具体例をわかりやすく紹介

目次

油圧とは?

油圧とは、下図のように外力を加えた際に生じる油の反力(圧力)のことです。油ではなく、気体であれば「空圧(ガス圧)」、水であれば「水圧」と呼ばれます。

また、JIS規格でも油圧=油圧(技術)としているので、機構や技術そのものを指す場合も多いことは知っておきましょう。

油圧とは何か?

上図のように密閉容器に、ただ外力を加えただけの油圧では、機構として使い道が限られます。そのため、下図のように「パスカルの原理」と合わせることで、油圧をさまざまな機構に応用することが可能です。

パスカルの原理

このように、動力源(モータやエンジン、人力など)が小さい力でも、圧力を効率よく伝達させ、面積比などを制御することで、より大きい力へと変換が可能です。

油圧のメリット・デメリット

空圧や水圧機構もある中で、油圧が選ばれるのは、もちろん理由があります。

油圧を利用する主なメリット
  • 高い粘性で反力が強いため、小型・軽量化に向いている
  • 部品に使用する金属が錆びにくい
  • 制御しやすい
  • 長寿命
油圧を利用する主なデメリット
  • 漏れが生じた場合の汚染
  • 製品への混入リスク
  • 火気による火災

上記は、油圧の一般的なメリット・デメリットを紹介しましたが、使われる油の種類によっても特徴がかわってきます。

油圧で使われるオイルの種類

油圧機構で使用される油の種類は、主に5つに分類され、それぞれの特徴から用途に合わせた適切な使い分けが必要です。

種類特徴
石油系広範囲の温度域下で使える
合成系潤滑性に優れる
水溶性難燃性
生分解性作動(植物性)油環境配慮
高含水作動液水の含有量が高く、難燃性

油圧を利用した機構部品

ここまで、油圧の基本知識を説明してきましたが、次に具体的な製品例をいくつかご紹介します。

油圧ジャッキ

多くの方がイメージしやすい油圧を利用した装置です。車両点検時などに人力の小さい力でも重いものを持ち上げることができます。その他にも装置の据付業務やメンテナンスでも使われています。

油圧ポンプ

油圧ポンプにはいくつか種類があります。例えば、ギアポンプでは、モーターなどの動力でギアを回転させて、その力で生じた油圧を利用して、油の吸入と吐出を行います。

油圧シリンダ

油圧ポンプなどで送られてきた油による油圧を、ロッドの直進運動へ変換する機構部品です。ショベルカー、乗用車、加工用機械など幅広く使用されています。

参考サイト&文献

本記事は以下のサイトや文献を参考に執筆しています。

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