機械材料とは?|分類と概要まとめ

機械材料の分類

機械工業における製品の材料を総じて「機械材料」と呼びます。機械材料には金属やゴム・樹脂など幅広く含まれ、全てを語るには膨大な量となり、専門家でも難しいでしょう。

ここでは、機械材料を知る一歩目として、機械材料の分類や特徴、材料例を紹介しています

目次

機械材料の重要性

設計通りの目的を果たし、品質や安全性を保つためには、機械材料の選定がとても重要になります。また、単純に強度など機械的性質の条件を満たすだけでなく、コスト面も考慮して選定しなければなりません。

そのためには、本記事に紹介している機械材料の分類や基本事項はもちろんのこと、一般的に使われる材料について知見を広めることが必要となるでしょう。

機械材料の分類例

機械材料の分類例を下図にまとめています。

ここで、分類”例”と表記したのは、文献により若干の違いがあるためです。

鉄鋼金属について

鉄鋼金属をさらに分類すると”純鉄”、”鋼”、”鋳鉄”、”合金鋼”に分類することが可能です。

材料例特徴
純鉄炭素含有量が0.02%以下の鉄。
引張強さが弱く、やわらかい。
炭素鋼鉄と炭素含有量0.02%~2.06%の鋼。
炭素含有量により引張強さや延性が変化する。
鋳鉄鉄と炭素含有量が2.06%~6.67%の鋼。
おもに鋳造品の用いられる。
合金鋼炭素鋼にさらに別元素を添加した鋼。
添加物に応じて機械的性質が改良される。

非鉄金属について

非鉄金属は鉄を含まない金属です。イメージしやすいものとして、”アルミ”や”銅”などがあります。また、それらの合金鋼も存在します。

材料例特徴
導電性や伝熱性に優れ、加工性もよい材料。
亜鉛添加で黄銅、すず添加で青銅など合金もよく見かけることが多い。
アルミ軽量な材料。導電性や電熱製にも優れる。
引張強さは弱いが、ジュラルミンなどの合金にすることで強度を高めることができる。
ニッケルやわらかく、延性が高い。
ステンレス鋼など、合金の成分として使用されることが多い。

この他にもチタン、銀、金など多くの非鉄金属があります。

無機材料について

無機材料は、セラミックやガラスなどの材料を指します。

材料例特徴
セラミック無機物を焼き固めた陶磁器を指します。
耐熱性や耐酸性に優れており、技術開発が進み用途が多様化。
セメントモルタルやコンクリートの材料として使用されることが多い。
石灰・粘土などが主な成分だが、用途により配合などが異なる。
ガラス透明性があり、耐薬品性に優れた材料。

有機材料について

有機材料は、さらに”樹脂”、”ゴム”に分けることが可能です。繊維を分類として含めることもありますが、本記事では樹脂の一部とし、省略しています。

材料例特徴
塩化ビニル合成樹脂のひとつで、塩ビとも呼ばれる。
加工がしやすく安価であり、排水管などにも使用される。
PTFE合成樹脂のひとつで、テフロン(商標名)としても有名。
滑り性や耐薬品性に優れており、食品や製薬機器などにも使われる。
天然ゴム樹液を加工したもので、ラテックスとも呼ばれる。

参考サイト・文献

本記事は以下のサイトや文献を参考にしています。

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