ミルシートとは?鋼材の材質証明書とその必要性

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ミルシートはどんなもの?

ミルシートは、鋼材に対して以下の情報が記載されている証明書で鋼材メーカーが発行します。材料証明書として使うことも多いですが、厳密には検査(品質)証明書となります。

ミルシートの記載内容
  • 材料名(SUS304など)
  • 材料の該当するJIS規格
  • 化学成分の含有量(JIS規格との比較)
  • その他、外観や仕上げなどの情報

例えば、化学成分が規定されている含有量の範囲におさまっているかなど確認が可能です。これらにより、鋼材の品質や性能を確認することができます。製造業者はミルシートを通じて、製品の品質を保証し、顧客に安心感を提供します。

業務上は、材質証明書として扱われることも多く、「鋼材の材質証明書をください」と言われたら、ミルシートを提出することが多いですね。

なお、ミルシートは樹脂やゴム材にはないので、注意しましょう。

材質証明書や検査成績書との違い

材質証明書は、材質の確認ができる書類を指しますので、必ずしもミルシートに限りません。

例えば、機器メーカーが「この装置の主材質はSUS304を使用しています」というような書面を発行すれば済んでしまう場合もあるでしょう。ただし、書面作成の手間や信頼性を考慮し、一般的にはミルシートを提出してしまうことが多いでしょう。

次に検査成績書ですが、こちらも必ずしもミルシートを指しているとは限りません。ミルシートでは、化学成分などいくつかの検査結果ではありますが、その他の検査を顧客から要求されている場合は、別途検査や書類が必要になるでしょう。

ミルシートの役割と必要性

ミルシートは、鋼材が規格を満たした品質であるか確認や保証するための重要な役割をもちます。

例えば、ある材料の強度で設計された製品で、使用された材料の品質が悪く、強度不足になれば大きな問題になります。このような事例を防ぐために、材料が正しいか、品質に問題がないかしっかりと確認する必要があります。

また、業界によっては、品質管理のため、ミルシートのような証明書類を管理・保管する規則が存在することもあります。

まとめ

前述の通り、ミルシートは鋼材の品質を証明する重要な文書であり、材質証明書や検査成績書として使用されます。品質を担保することで、安全かつ信頼性のあるものづくりが可能になります。

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